時間外労働の上限規制の在り方など長時間労働の是正について

長時間労働の是正の考え方

団塊の世代と言われた年代が75歳を迎えようとしている昨今、少子高齢化による労働力の不足が問題になってきております。近年では女性や65歳以上のシニア世代の労働力に期待が寄せられるようになってきましたが、仕事と子育てや介護を無理なく両立させ、働きやすい社会に変えていくためには、長時間労働の是正が必須不可欠になってきました。また、現時点でも長時間労働を余儀なくされて、ストレスを抱える労働者も多く見受けられます。そんな時代に長時間労働の是正をするための法改正は必須不可欠、かつ、急務になってきております。現行では、『36協定』という労使間の協定で、時間外労働の上限について月45時間以内、かつ、年間360時間以内と定められておりますが、罰則等による強制力がない上、臨時的な特別な事情がある場合は、労使の合意によって特別に条項を設けて、上限なく時間外労働をすることが可能となっております。
そこで、『働き方改革』の中で、より強制力があり特例の無い法改正により、上回ることが出来ない上限を設定することとなりました。

時間外労働の上限規制

≪原 則≫
週40時間を超えて労働可能となる時間外労働時間の限度を、原則として、月45時間且つ、年間360時間とし、違反には以下の特例を除いて罰則を課す。
≪特 例≫
・臨時的な特別な事情がある場合として、労使が合意して労使協定を結ぶ場合においても、時間外労働時間は年間720時間(月平均60時間)を超えてはならない。
・年間720時間以内において、一時的に事務量が増加する場合について、最低限上回ることのできない上限を下記のように設ける 
 (1)2ヶ月、3か月、4ヵ月、5カ月、6カ月の平均で何れにおいても、休日労働を含んで80時間以内とする
 (2)単月では、休日労働を含んで100時間未満とする
 (3)上記の特例の適用は、年半分を上回らないよう、年間で6回までを上限とする

パワーハラスメントやメンタルヘルス対策の現状と今後

労働者が健康を害すような労働及び、労働時間を厳粛に管理するため、職場内での上司によるパワーハラスメントの防止を強化するため、『働き方改革の現実に向けて』のテーマとして、政府は労使関係者を交えた場で対策の検討を行うこととされております。
また、メンタルヘルスの対策に於きましては、過労死等防止推進法の整備をより充実させることを盛り込んでおります。

契約条件の改善など業種毎の取組の推進

元請・下請け等の関係で、元請企業からの厳しい納期により、下請けの中小零細企業は長時間労働を余儀なくされてしまうケースが見受けられます。このような商習慣・契約内容にも、政府は見直しや契約内容の適正化について、業種ごとに強力に推進することとしております。
また、過重労働撲滅のための特別チームを作り、重大案件の操作を進めると共に、違法な長時間労働が認められた企業に対し、立ち入り調査や経営者への指導を行い、改善を求めることとされております。
また、企業名公表制度により、違法な長時間労働が複数の事業場で月80時間を超える時間外労働がある場合も対象とするなど、要件を拡大して強化をすることとされております。

長時間労動是正のため、企業が取り組むべき事項

労働時間の適正な把握を行う

長時間労働の是正を行うためには、労働時間を適正に把握し、適性な労働力の確保やスケジュール管理を行う事が必要不可欠となります。人事管理システムや勤怠管理システムなどを導入して、公正な指揮命令関係と適正な労働時間を管理する体制を構築すると共に、厚生労働省が定める労働時間の定期性な把握のためのガイドラインに則した、管理をするようにしましょう。

ストレスチェックの実施

2015年12月末に義務化されたストレスチェック制度を実施し、労働者のストレス状況の把握やストレスチェックの結果に基づいた職場環境の改善策を進めて行く必要があります。ストレスチェックの結果、高ストレス者と判断された労働者等は、医師の診断の実施を行い、過重労働の防止に努めなければなりません。
長時間労働やそれに伴うパワーハラスメントによって、労働者がうつ病になったり、過労死をするようなことのない社会を作ることは必要不可欠であり、急務なことでもあります。

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